過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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218:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/04/29(木) 22:43:12.59 ID:4gNNxTQo

(し、仕方ないのですよ。子供のお願いを叶えるのも大人の役割なのです)

 小萌はゆっくりと左手薬指に指輪を嵌め―――その際、なぜか赤い神父の姿が浮かんだが―――次いで、口元に手を持っていく。

 その間にも、雛苺は近くからその様子を見上げてきている。

(うう・・・そんなにじっと見ないで欲しいのです)

 別に誰かにするわけでもなく、対象は自分の手である。正確には指輪のほうであるが、指を切ったときに舐めるのと状況的にはそう変わりがない。

 それでも、やはり恥ずかしいものは恥ずかしかった。

「じゃ、じゃあしますよー?」

「うい!」

 確認するような小萌の言葉に、元気なフランス語が返ってきた。

 そんなに恥ずかしかったらやっぱりいいのよー、とでも言ってもらうことを期待していたのだが、叶わぬ夢らしい。まぁこのくらいの子供にそういう気遣いを求めても無駄なことである。

「・・・・・・」

 再び脳裏に浮かぶ赤い神父の姿。それを、きゅっ、と目を閉じて掻き消すと、小萌はゆっくりと指輪に唇を近づけた。

 そして、苺を模した指輪に、彼女の唇が触れる。

 その瞬間。


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