過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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22:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/03/20(土) 16:27:22.33 ID:2Z2/dwEo

「どうするか・・・っても、届けてやるべきだろうなこれは」

 気がついた以上、それをそのまま放っておくのは性にあわなかったし、何より上条家の経済破綻をギリギリで回避していられるのは、小萌の食事会によるところが大きい。

「義理と人情を欠いては浮世は渡れないと思うのですよ上条さんは」

 呟きながら、鞄の取っ手に左手をかけた。

 かなり大きい鞄だが、力には多少自信がある。それに中に入っているのはおそらくタオル程度であろう。

「よっ、と」

 上条は一気に持ち上げようとして、

「!?」

 ズシリ、と予想外の重みが腕にかかった。

 完全に軽いものと信じていた上条だ。勢いがあまって、体勢が一気にまえのめりになる。

「お、わ、たっ」

 左手が無意識に鞄を離す。僅かに浮いていた鞄は床に落ち、代わりに重量感の消えうせた彼は、堪えるどころか一気にバランスが崩れた。

「っ」

 軽くなった彼の上半身が反射的にのけ反る。だがバランスに調整がついていかない。

「うわっ」

 それでもなんとか体勢を立て直そうとして脚を踏み出す上条。だがその足が、いましがた干そうとして床に投げていた薄手の掛け布団を踏み付けた。

 ずるり、と脚が滑り、視界が反転する。

「ふ、不幸だぁっ!」

 彼の嘆きの声が響き、その一瞬後、床に頭が激突する音がこだました。


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