過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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320:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/07/26(月) 01:53:21.90 ID:46.faFwo



 時刻がそろそろ午後10時を告げようとするころになると、道を歩く人影の量はかなり少なくなっている。

 学園都市において、夜は時計ではなく、規則に支配されているのだ。

 太陽が傾いて水平線に沈んだ後が夜のはじまりというよりは、門限を過ぎてからが学生にとっての『夜』である。学校によっては門限以降の外出を一切禁じているところが存在している以上、そうなるのも自然なことなのかもしれない。

 それに馴染まない者はすべからく、スキルアウトと呼ばれていた。

 とはいえ学校ごとに門限には差があり、それなりに遅くなっても問題のない者も、少なくはなかった。

「ふー」

 ジーンズのポケットに手を突っ込み、上条は大きく息を吐き出した。

 彼もそんな『少なくない』学生の一人である。

 彼の在籍する学校の校風は、彼の担任が目指すように、生徒の自主性を重んずるというものだ。流石にもう後一時間もすればまずいが、今はまだ大丈夫な時間帯であった。

 そんな彼がいまいるのは、学生寮からほど近い公園だ。

 親子連れというものが極端に少ない学園都市においてどれほどの意味合いがあるのかよくわからないが、砂場にアスレチック等、とりあえず一とおりの施設は揃っており、木立もきっちりと刈り整えられている。結構な頻度で手入れをされているのだろう。

 そんな無駄遣いといわれても納得できそうな公園であるが、いまは上条しか人影はなかった。

「……」

 上条はひとしきり周囲を見回した後、何気ない仕草で空を見上げた。

 夕方くらいまで快晴だった空は、今は夜と薄い雲にその青さを奪い去られている。

「……明日は曇りだって言ってたっけなぁ」

 部屋を出る直前にインデックスがつけたテレビ――――アニメを見るためのものだが――――を思い出しながら、上条は呟いた。



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