過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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34:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/03/20(土) 16:37:29.20 ID:2Z2/dwEo

 そして、その彼の眼前で、

「・・・・・・」

 伏せられていた人形の目がゆっくりと開き、その切れ長の目が、すい、と上条に向いた。

「な・・・」

 上条が声を漏らしたのは、人形がこちらを向いたことにではなかった。

 人形の瞳。

 そこに篭められた、明確な敵意に対してである。

「・・・・・・」

 トン、と人形の靴が床に着地する。しかし上条に向いた視線の色は、種類を変えないままだ。

 赤い人形の左手が、ゆっくりと持ち上がる。

「くっ」

 右コブシを握る上条。手首が痛むが、この際そんなこと言っていられない。

 人形の視線―――その敵意は強くなる一方。

 そして、人形が一歩、脚を踏み出した。

 上条の、方に。

「お、お前っ・・・!」

 上条が言葉を投げかける。

「・・・・・・」

 だが人形は反応を見せないまま、ツカツカと歩をすすめてくる。

 人の脚で数歩の距離。やや小さい人形では、もう少しかかる。

 人形の手は持ち上げられているだけでいまのところなにも異常な様子はない。

 だが油断はできない。

 相手は魔術の結晶に違いないのだ。上条の右手同様、触れた瞬間にだけ効果を発するのかもしれなかった。


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