過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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上条と真紅
◆zEntDqWLlc
[sage saga]
2011/04/25(月) 00:28:32.61 ID:2giVhI+No
「っ?」
唐突に、左手薬指に熱を感じた。
反射的に左手に目を向ける。
(指輪が光って…?)
見れば薔薇の指輪が、僅かにだが紅色の光を放っていた。
何が起こったのか、と思うより先に、
「くっ!?」
身体から、一気に体力が奪われた。
全力疾走した直後のように、身体の芯を削られたような感覚。
それに上条は覚えがあった。
(昨日の、あの時の…!)
ビルの屋上で、真紅が薔薇の魔術を放った時と、同じ疲労感だ。
「上条ちゃん? どうかしたんですか?」と、小萌。
「……。」
一方の姫神は、軽い驚きに不安と予感がないまぜになった表情で上条を見た。
両者の視線を横顔に感じる上条。
指輪の光は一瞬で収まった。それこそ勘違いではないのか、と思えるような短い発光である。
しかし、身体に残った疲労感は本物だった。
「……」
上条は左手を握り、開く。それを二度繰り返した。
何も起きない。
再び指輪が光ることはなく、また、自分の部屋で体験したように、真紅からのテレパシーめいた魔術が飛んでくるわけでもない。
上条の胸に、それでもある種の予感が生まれる。
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