過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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495:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2011/05/04(水) 13:03:07.12 ID:axCmA8+Uo
「翠星石…!」

 真紅が呼び掛けるが、

「うっ、うぅ…」

 翠のドレスをボロボロにした彼女は、俯せに倒れたまま立ち上がることができない。

 ダメージもあるが、それ以前に、もうゼンマイが限界なのだ。

 真紅が苦しそうに顔を歪めた。

 蒼星石のチェックという言葉は、いまの状況を的確に顕している。

 いままで蒼星石が翠星石を追うことで辛うじて保たれていた均衡が、これで崩れてしまう。

「よくやったわ、蒼星石」と、ベランダ側の壁にもたれ、戦闘にも参加していなかったたセーラー服が言った。

「ありがとうございます」

「後は真紅を片付けなさい。翠星石はもう、後でもいいでしょう」

「……わかりました」

 能面のような無表情で、頷く蒼星石。

「あはははは、大変ねぇ真紅。この後は蒼星石も遊んでくれるわよぉ?」

「……」

 真紅は言葉を返さず、かばうように、翠星石の前に立った。

 赤い彼女の表情は、こんな絶望的な状況下であっても、いまだ勇ましさを保っている。

 そんな彼女の表情に、水銀燈が不快げに眉を顰めた。

「じゃあ行くよ、真紅」

 鋏を握りなおす蒼星石。少女人形の前髪が、バチリ、と音をたてる。

 それらを横目に、水銀燈が口元に、再び嘲笑を浮かべた。

「ほぉら、惨めったらしく足掻いて見せなさい!」

 黒と蒼が同時に斬りかかった。

 命を削りあう舞踏が、再び始まる。


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