過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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523:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2011/09/05(月) 00:45:29.91 ID:S80mhRzpo


「てめぇ!」

 捕われた真紅を見て、即座に駆け出そうとする上条。

 だが、

「!?」

 踏み出した脚がガクリと崩れた。

「上条くん!」

 反射的に姫神が上条を抱え込んだ。

 走る勢いを残したままの彼に引っ張られ、たたらを踏んでしまう。

 二歩の動きをもって、なんとか支えきった。

「ちっくしょ…!」

 腕の中で彼は立ち上がろうとしているが、身体にまったく力が入っていない。

 これ以上は無理だ。

 姫神はそう判断した。

 しかし目の前には、危機が続く真紅の姿がある。

 自分たちの真向かい。ベランダ側の壁近くで、驚きを残したセーラー服が右手を振り上げのが見えた。

「っ」

 攻撃の予備動作。

 思わず身体が強張る。

 上条は動けず、自分には闘う術がない。

 いまは、三沢塾の時とは違う。

 全てに絶望していたあのときとは違い、いまの姫神は、死を恐れるだけの理由があった。

 呼吸がとまり、脚がひとりでに一歩だけ、後ろに後ずさる。

 しかしその彼女の腕の中で、上条がなお戦おうと――真紅の元に駆け寄ろうと、身もがいた。



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