過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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上条と真紅
◆zEntDqWLlc
[sage saga]
2012/01/09(月) 20:20:03.58 ID:HxMoiHH+o
「待ちなさい蒼星石」
「!」
セーラー服の言葉で、蒼星石が動きを止めた。
「!?」
すでに回避行動に移っていた白井は、そのまま左を下に地面に倒れる。
ドサッ、という音が響いて消えた。
一瞬だけ、染みるような静寂が、路地に横たわる。
「……今、この娘たちを殺すのは簡単よ? でも駄目。それじゃ駄目なのよ」
その挟み込まれた静寂を破り、いつの間にか立ち上がっていたセーラー服が、白井に歩み寄った。
その両腕の中には、いまだ力のない初春が抱えられている。
頭をガクリと落としたままの初春の表情は白井からは見えない。しかし、
「ん……ぅう……」
セーラー服が歩いたことが刺激になったのか、初春の口から呻きが漏れた。
生きている。
だが、白井の胸に浮かんだ安堵の感情は、続くセーラー服の言葉に打ち砕かれた。
「殺しても、御坂美琴は絶望しないわ。死んだ方がマシなくらいの、生きた悲劇が目の前にあるからこそ、人は絶望するの」
蒼星石の前に立ち、白井を見下ろす位置まできたセーラー服が、にぃっ、と醜悪に頬を歪めた。
昏さそのものを湛えた瞳が、白井を射抜く。
狂気。
「……っ!」
挙がった名前と、吐かれた言葉と、浮かんだ感情。
目を見開いた白井が、なんとか身を起こそうとして――
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