過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
1- 20
580:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2012/01/09(月) 20:20:03.58 ID:HxMoiHH+o

「待ちなさい蒼星石」

「!」

 セーラー服の言葉で、蒼星石が動きを止めた。

「!?」

 すでに回避行動に移っていた白井は、そのまま左を下に地面に倒れる。

 ドサッ、という音が響いて消えた。



 一瞬だけ、染みるような静寂が、路地に横たわる。



「……今、この娘たちを殺すのは簡単よ? でも駄目。それじゃ駄目なのよ」

 その挟み込まれた静寂を破り、いつの間にか立ち上がっていたセーラー服が、白井に歩み寄った。

 その両腕の中には、いまだ力のない初春が抱えられている。

 頭をガクリと落としたままの初春の表情は白井からは見えない。しかし、

「ん……ぅう……」

 セーラー服が歩いたことが刺激になったのか、初春の口から呻きが漏れた。

 生きている。

 だが、白井の胸に浮かんだ安堵の感情は、続くセーラー服の言葉に打ち砕かれた。

「殺しても、御坂美琴は絶望しないわ。死んだ方がマシなくらいの、生きた悲劇が目の前にあるからこそ、人は絶望するの」

 蒼星石の前に立ち、白井を見下ろす位置まできたセーラー服が、にぃっ、と醜悪に頬を歪めた。

 昏さそのものを湛えた瞳が、白井を射抜く。

 狂気。

「……っ!」

 挙がった名前と、吐かれた言葉と、浮かんだ感情。

 目を見開いた白井が、なんとか身を起こそうとして――


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
808Res/714.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice