過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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上条と真紅
◆zEntDqWLlc
[sage saga]
2012/01/09(月) 20:24:07.42 ID:HxMoiHH+o
壁に手をつき、ふらふらと立ち上がる白井。
「うっ!? ぐぶっ! うああぁぇぇぁぁ……!」
両膝が伸びたところで、猛烈な吐き気を催し、白井は身を折って顔を伏せた。
ビチャビチャ、と水音が響く。
「がはっ、はっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
ひとしきり、出たがっていたモノが出てしまうと、白井は ぜーぜー、と息を荒げながら、ぐい、と手の甲で口元を拭った。
――殺しても、御坂美琴は絶望しないわ。死んだ方がマシなくらいの、生きた悲劇が目の前にあるからこそ、人は絶望するのよ
「ふざけんじゃないですの……!」
血と胃液の混じった唾を吐き捨てる。
あのセーラー服は奪うつもりだ。
何を、ではない。
白井が大切にしている、何もかもを。
「待っていなさい初春……必ず助けてみせます……!」
再びあげた白井の顔は、九月半ばのあの日――『座標移動』に敗北し、バスルームで傷を手当していた時と、同じ表情。
その表情のまま、白井は向かうべき場所を、その方向を、闇夜の中でヒタと見据えた。
三沢塾。
そこが、セーラー服が指定した場所だった。
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