過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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584:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2012/01/09(月) 20:24:07.42 ID:HxMoiHH+o

 壁に手をつき、ふらふらと立ち上がる白井。

「うっ!? ぐぶっ! うああぁぇぇぁぁ……!」

 両膝が伸びたところで、猛烈な吐き気を催し、白井は身を折って顔を伏せた。

 ビチャビチャ、と水音が響く。

「がはっ、はっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 ひとしきり、出たがっていたモノが出てしまうと、白井は ぜーぜー、と息を荒げながら、ぐい、と手の甲で口元を拭った。



 ――殺しても、御坂美琴は絶望しないわ。死んだ方がマシなくらいの、生きた悲劇が目の前にあるからこそ、人は絶望するのよ



「ふざけんじゃないですの……!」

 血と胃液の混じった唾を吐き捨てる。

 あのセーラー服は奪うつもりだ。

 何を、ではない。

 白井が大切にしている、何もかもを。

「待っていなさい初春……必ず助けてみせます……!」

 再びあげた白井の顔は、九月半ばのあの日――『座標移動』に敗北し、バスルームで傷を手当していた時と、同じ表情。

 その表情のまま、白井は向かうべき場所を、その方向を、闇夜の中でヒタと見据えた。

 三沢塾。

 そこが、セーラー服が指定した場所だった。


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