過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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610:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2012/06/02(土) 17:59:12.21 ID:U4C20G8bo

「ああ、あのお花畑? 彼女なら」

 ちらり、とセーラー服が己の腰掛ける演台の裏側に目を向けた。

「ここに転がってるわ。もっともお花畑の花は、貴女も知ってのとおり使っちゃったけどね」 

「……無事なのでしょうね」

 白井のところから姿は見えない。

「あら心外」

 芝居がかった仕草でセーラー服が肩を竦めた。

「貴女が言ってたじゃない」ニヤリと笑う。「ヘンデルに手を出したら、魔女は殺されてしまうって」

「……」

 対照的に白井は目を細めた。

 階段を上がるときの、こちらの呟きを知っている。

 数ある能力の中には、空間干渉系と言う系統がある。

 例えば『任意空間の酸素濃度を低くする』『限定された空間を他者に認知できないようにする』というような能力だ。

 主として干渉可能な範囲でレベルが決まるとのことだが、ここまで強力な物は聞いたことがなかった。

 一階から最上階までの空間を己の認識下に置く力。加えて、路地裏の攻防を他者に認識させないという応用も可能。

(レベルにすれば間違いなく4。下手をすれば、あの女のようにニアレベル5ですの)

 白井の脳裏に、つい最近対峙した能力者の姿が思い起こされた。

 彼女は己の転移が苦手という理由でレベル4に留まっていたが、実質はレベル5だった。

「……」

 白井は軽く両手を握り込んだ。

 掌は薄く湿った感触を返してくる。


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