過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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上条と真紅
◆zEntDqWLlc
[sage saga]
2012/06/13(水) 23:20:51.58 ID:8+2NxqUno
(見つからない……!)
姫神は脚を止め、周囲を見回してから、手近な店の壁に寄り掛かった。
顔を上向かせ、激しくはない、しかし荒い呼吸を繰り返す。
上条の寮から常盤台中学校の寮まで。
途中、学生が好みそうな店を覗きながら往復すること四半日。
晩夏の季節であっても、もはや陽は落ち、夜になる時刻に至っていた。
それでも美琴は見つからず、手掛かりも手に入っていない。
「む、無理するなです髪長人間。ちょっとは休みやがれですぅ」
姫神の両腕に抱えられ、ただの人形の振りをしている翠星石が小声で言った。
約6時間。
姫神は、ただの一度も休憩らしい休憩を取っていない。
せいぜい今のように脚を止め、店の壁や信号柱に背を預ける程度。それすら、数えるほどの頻度でしかなかった。
額に浮いた汗は前髪を張り付かせ、頬を滑った汗は襟元に染みていく。
「わかってる。でも。休んでいられないから」
姫神は小さく首を横に振った。
その拍子に、パサリと烏の濡れ羽のような黒髪が一房、巫女服の衿にかかる。
翠星石まで届いたそれは、長い時間外風に晒されたせいか僅かに艶を失っていた。
上条を真紅に任せてから、インデックスはホーリエとともに、そして姫神は翠星石を伴って美琴を探しに出ている。
組み合わせに恣意はない。魔術の素人である姫神が、人語を操れないホーリエと組むのは難しいと判断した結果だった。
問題は、ホーリエと翠星石は元より、インデックスも姫神も美琴のことはほとんど知らないということ。
インデックスはせいぜい風斬氷華の件や大覇星祭で会話した程度。姫神に至っては、今朝がほぼ初対面である。
立ち寄り先も知らない状態で美琴を探し出すことは不可能に近かった。
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