過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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630:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2012/06/20(水) 20:19:47.85 ID:Godl8wnfo

(短髪……短髪……あ、おにぎり屋……ううん、短髪……あ、クレープ屋……)

 夜の商店街を歩くシスターはかなり目立っていたし、人通りもそこそこあった。しかし虚ろな目付きでフラフラしている様から、なんとなくアンタッチャブルな雰囲気を感じ取り、誰も声をかけようとしない。

「短髪……ごはん……短髪……ごはん……」

 周囲を見回しながら懸命に歩くインデックス。決して不真面目ではない。彼女は大まじめだ。

 千鳥足のシスターが進む先は、まるでモーゼのごとく人ごみが割れていく。

 ――と。



 ―――!



 ひゅん、といきなり、インデックスの胸元から光球が飛び出した。

「ほーりえ?」

 探索に出てから時折話しかけても鈍く光るだけだった人工精霊の突然の動きに、インデックスの思考は追いつかない。周囲を歩く者たちも何事かと目を向けるが、彼女はそれにも気づいた様子がなかった。

 ホーリエは数回インデックスの周囲を旋回した後、その目の前に滞空。

 一瞬の静止の後、概ね球形を保っていたその形状を一気に変化させはじめた。

 グネグネと不定形に揺らいだ後、いきなりウニのように鋭い刺状の球に形を変える。

 突き出した何本もの刺。ホーリエはそのままさらに動いた。

 それぞれがまったく同期を取ることなく、ある刺は伸び、ある刺は縮み、を繰り返す。

 それはまるで、360度に何かを探すかのような動きで――



 ―――!



 やがて一本の刺が、大きく大きく突き出した。

 その先端が指す先には、商店街の一角にある大きめのビル。

「!」

 刺につられて視線を動かしたインデックスは、その出入口からつい今しがた出てきた人影を見て、半開きだった目を見開いた。

 ホーリエが一度、紅く発光する。

 その人影は、赤毛で、花の髪飾りをつけていた。



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