過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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674:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2012/12/02(日) 23:03:23.99 ID:5u8O7Fkno

「ぐっ、くっ……!」

 一方、枝による攻撃でいまだ立ち上がれないセーラー服が、ようやく床に手をついて膝立ちになった。

 翠星石の力は精神の樹木に介入すること。

 強い敵対心を持たれているセーラー服は、動かなくなってしまえ、という翠の意思をまともに受けてしまっている。

 重い頭。顔は伏せたまま。

 それでもなんとか顔を起こそうとして、

「形勢逆転、ですの」

 その床だけ映った眼前に、女の靴が、ざっ、と音をたてた。

「白井、黒子……!」気力で顔をあげるセーラー服。

 奥歯をギリリと噛み締め、見下ろしてくる少女――白井を睨みつける。

 そんな憎悪そのものの視線を、白井は真正面から受け止めた。

 そこから目を逸らす事なく、白井は拾い上げた手錠をセーラー服に示した。

「風紀委員に対する公務執行妨害の被疑者。そして電撃使い襲撃事件の容疑者として、貴女を拘束しますの」と、白井は言った。

「っ!」

 彼女は、初春飾利の無事を確認するよりもセーラー服の拘束を優先し、そして『風紀委員』の通例を忘れず警告を与えている。

 憎悪を見返す白井の瞳には、欠片の私怨もない。

 あるのは誇り。

 御坂美琴が隣に立つことを認めた、誇り高い視線が、セーラー服を貫いた。

「……なによ」

 顔を歪めるセーラー服。

「なによ、なによ、なによ」

 床についた手が、握り締められた。



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