過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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上条と真紅
◆zEntDqWLlc
[sage saga]
2013/02/09(土) 23:43:43.18 ID:oNEmuR9xo
○
「「「……」」」
全員の注目が集まる中、美琴はゆっくりと、左腕に抱えていた紅い人形――真紅と名乗ったか――を床におろした。
小さいが上等と一目でわかる靴が講堂の床板に接し、コツ、と音をたてる。
「あんたね、最近『電撃使い』を襲いまくってるやつってのは」
儚い音が消えてから、美琴は床に落ちた白井の人形に視線を移し、言った。
ハッキングで得た情報の中には、現場の状況も詳細に記されている。
何かの破片が――西洋人形等に用いられる陶器の破片が検出されたという、分析結果があったのだ。
「ど、どうやって、ここに?」
美琴の質問に応えず、震えた声でセーラー服が問うた。
その震えの意味を『超電磁砲』と相対した恐怖、あるいは――こうなることを望んでいただろう犯人であれば――武者震いであると判断し、警戒しながらも美琴は肩を竦めた。
「さぁ? 悪いけど、その辺りはこっちのこの娘に聞いて。私も驚いてんだから」
真紅は明らかに人間ではないにも関わらず、まるで人のように動き、話し、そのうえ白井のお株を奪うようにテレポート系の能力まで発現させてみせた。
美琴の常識で言えば、真紅は精神系能力の一派である『憑依』か、あるいは操作系能力での産物。そしてテレポートはこの場にいる誰か――消去法でいけば巫女服の少女に依るアポートだろう。
つい十数分前、電話で指定した場所で上条と落ち合った時は、思わず目を疑った。
何しろ彼と共に来た者が、昨夜戦闘になった水銀燈――美琴が『幻想猛獣』ではないかと疑いを持っている相手――と、よく似ていたからである。
本来ならば是が非でも問い詰めたいところだったが、今朝バス停で知り合った姫神とそれに同行している翠星石と言う人物に危険が迫っているというので、真紅や水銀燈については後で必ず説明するということを条件に、とりあえず疑問は飲み込むことにしていた。
美琴にして軽いものではない事実であるにも関わらずその結論に至った要因は『多才能力』や『幻想猛獣』という単語に彼等のいずれもが本気の疑問付を浮かべたことや、そして決して美琴は認めないに違いないが――上条が真紅は敵ではないと保証しているのも、大きい。
「私と翠星石は擬似媒介として繋がっている。そして翠星石は私を通じて当麻から力を得ることが出来る」
美琴の言葉を引き継いで、真紅が口を開いた。
「逆に言えば、私も翠星石の力を借りることができる。これだけの条件が調っていれば、私でも夢を渡ることが出来るのだわ」
「それでも100%の保証はないですよ。無事に来れてよかったです」と、翠星石。
「ええ、ありがとう翠星石。それから秋沙。貴女たちのお陰よ」
契約者を持つ薔薇乙女――真紅と、その真紅と擬似媒介で繋がった翠星石。
通話状態を保持した――外界との結び付きを持ったままにしてあった姫神の携帯電話。
結界内で気を失っている――夢を見る眠りと同義な状態の初春飾利。
力の源と、夢を渡る能力と、綻びと、通り道。
実際のところは、言葉ほど簡単なことではない。これだけ要素が揃っていても、夢渡りは真紅にとっても賭けに近かった。
当初は自分とホーリエだけで先行する予定だったのであるが、携帯電話から知り合いの声がする、と言ったため、美琴も共に転移したのだ。
もっとも上条はそもそも転移できず、さらにインデックスは上条が結界を破壊する際に『歌』を奏でてもらわねばならなかったので、同時に転移するのであれば美琴以外にいなかった、という事情もあったが。
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