過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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743:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2013/03/17(日) 22:37:43.10 ID:5YyyBKk3o

「……?」

 水銀燈は、己の胸に開いた穴を、何が起きたのかわからないという表情で見つめた。

 しかしドレスが破れ、胴体部分のギミックが覗き、パラパラと毀れていく破片を見れば、何が起こったのかを把握するのは容易だ。

「かっ!? っ!? ぐっ!?」

 すぐに目を見開き、何か言おうとする水銀燈。

 が、言葉にならない。

 穴は大きかった。

 見上げている真紅からでも、彼女の向こう側――水銀燈が目指していた採光窓と、そこから差し込む月光と、そして穴を穿ったホーリエまでが見えるのだ。

 当たった場所がもう少し上だったら、首を跳ばされていただろう。そんな状態で、まともに発声できるわけがない。

「す、水銀……燈……」と、黒の代わりに、呆然とした声で翠星石が言った。

「っ……」

 空中で静止したまま、水銀燈がゆっくりと後ろを振り返る。

 背後約1メートルの位置に滞空している紅い球体に、問うような視線を向けた。

 しかし球体は何も応えない。

 しゃべることが出来ないから、ではなく、無言を示すかのように、ただ、浮いている。




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