過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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755:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2013/04/05(金) 23:28:07.03 ID:cLD3b1w0o

「……」

 虚脱状態のセーラー服は、ゆっくりとアウレオルスを見た。

 アウレオルスの右手に電撃が蓄積する。人差し指の根元辺りに置かれているのは、美琴が超電磁砲を放つときに使用する、一枚のコインだ。

 それは美琴の目には、その電撃がレベル2上位か、レベル3相当のものに見えた。

 その程度の電力で超電磁砲は放てないが、コインを人の頭蓋骨にヒビが入るか否かという程度の威力であれば、射出することが出来る。

「……ミコト?」と、セーラー服が呟いた。

「待っ、やめなさい!」

 しかし真紅が叫ぶと同時に、ドン! と鈍い音が響く。

 続いて、パラパラと細かく砕けた陶器が宙に舞った。

「え……?」と、声を漏らしたのは美琴。

 驚きと呆然。

 対極に位置しながら混然となった感情を口から声として漏れた。

「……?」

 何が起きたのかわかっていない表情で、セーラー服が胸に開いた穴に指で触れる。

 指に伝わる感触は、人間のように柔らかなもの。

 しかし皮膚の中にあるのは血を溢れさせる肉ではなく、ただの空洞だった。

 まるで風斬氷華のような、体組成。

 人間ではない。

「え、え……」

 と、セーラー服が、ホーリエに胸を貫かれた時の水銀燈のような表情を浮かべた。

 自分は人間のはず。

 御坂美琴を敬愛し、彼女がこの学園都市で唯一無二になるため行動をしてきた、学園都市の能力者だ。

 自分は、人間のはずだ。

 魔術を使えば拒否反応が起きた。超能力者だからだ。そして超能力は、人間にしか宿らないはず。


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