過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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792:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2013/10/15(火) 22:55:04.90 ID:wDeJ7wZ0o

「あんた大丈夫なの?」

「はい、ご心配をおかけしました。けれど、もう大丈夫ですの。初春も大きな怪我はありません」

 白井は解けた髪を予備のリボンで結び直しながら答える。

 美琴の問い掛けは全身これボロボロの状態や電撃を受けたことに対することだったが、白井の返答にはそれ以上の意味が篭められていた。

 記憶は、すでに戻っている。

 先ほど蒼い人形――蒼星石といったか――が倒れた瞬間に、奪われていた記憶が甦ったのである。おそらく初春も同様だろう。

 電撃のダメージもないではないが、いつも美琴に受けるものに比べれば軽い方だ。慣れとはおそろしい。

「まぁ、わたくしのことはともかく」と、白井は髪をツインテールに戻し、一度首を振る。

 左右の重さが均等で、演算に支障がないことを確認してから、上条に向き直った。

「上条さん。貴方がお姉さまやわたくし達を巻き込みたくないとお考えでしたら、残念ながら順序が逆ですの」

「逆?」

「電撃使い襲撃事件、というのをご存知で?」

「いや、知らねーけど……」

 電撃使いという単語から美琴に目を向けると、彼女は僅かに顔を顰めていた。どうも知っているらしい。

 続いてインデックスと姫神に目を向ける しかし二人は首を横に振った。

(……やはりお姉様にも連絡がいっていたようですね)

 上条の視線を追った白井がそれぞれの表情を読み、内心で息を吐いた。

 美琴がここにいる時点で察しはついていたが、自分たちの情報統制がどれくらい脆いかがよくわかる。

 だが今はそれを嘆いている状況ではなかった。

 コホン、と咳ばらいをして、続ける。



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