過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
1- 20
86:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/03/21(日) 16:27:09.52 ID:TgoUeT2o

「でもそうねぇ、人間、貴方が可哀相だから一応教えてあげるわぁ」

 クスクスと笑い、水銀燈が言った。

「わたしには仲間なんかいないわよぉ。わたし、おばかさんも足手まといも大嫌いだからぁ」

 そしてそれ以上話をするつもりはないと言うように、翼を羽ばたかせ、身を翻す。

「くそっ、待ちやがれ!」

 上条は手摺りに駆け寄って手を伸ばすが、届くわけがない。離れていく背中を見送るだけだ。

 黒い背中は瞬く間に小さくなり、すぐに視界から消えた。

「・・・行ったようね」

 真紅が軽く息を吐き、体から力を抜いた。感じていた水銀燈の気配が消えたのだ。

 どこか手近なところからNのフィールドに入ったのだろう。

「・・・・・・」

「・・・当麻?」

 何も言わない上条を見上げる真紅。

 だが上条は応えない。視線さえ向けず、水銀燈が飛び去った方向を凝視している。

「・・・・・・」

 もう、水銀燈の翼は見えない。戻ってくる気配もない。

 戦いは終わっている。

 しかし上条は、左手を手摺りに叩きつけた。

「っ」

 返ってくる感触がいつもよりもずっと硬いこと―――つまりいまでも結界が機能していることを確認してから、真紅に目を向ける。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
808Res/714.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice