過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
1- 20
97:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/03/21(日) 16:59:06.85 ID:TgoUeT2o

 真紅は上条を見る。

 いくら冷静さを取り戻し、幾たびか呼吸調整をしたとは言っても、彼は人間だ。連続して動き続ければ疲労の蓄積は早くなり、回復は遅くなる。

 顔色は赤をとっくに通り越して青くなっている。迂闊に話しかければ、この男は律儀に質問に答えようとするだろう。これ以上負担はかけたくなかった。

(インデックス、姫神、小萌先生、頼む無事でいてくれ!)

 三人の無事を強く祈りながら、大通りに飛び出す。

 歩道を行く幾人かの主婦らしき人影が、赤色の人形を抱えて路地から出てきた少年を見て、ぎょっとした顔を浮かべた。

 それを視界の端に収めながらも、上条は無視。走る勢いそのままに、車のいない車道をつっきるためにガードレールを跳び越えた。

 平日の朝であってもラッシュとは無縁の車道を一息に走りぬけ、上条はアパートの敷地内に入った。

 小萌の部屋はアパートの二階だ。

 長方形型のアパートの角にへばりつくように設置された、鉄製の外階段。

 一直線にそれに向かい、今にも崩れ落ちそうな階段を二段飛ばしで駆け上がる。 踏みしめるごとにギシギシと音が鳴り、それが4回響いたところで階段が終わった。

(―――っ!)

 外階段から続く外廊下。洗濯機が並ぶその廊下の先に顔を向けた上条が息を呑んだ。

 ドアの開けっ放しになった部屋がある―――小萌の部屋だ。

 ドアは小さく揺れている。つい先ほど開け、そのまま放りだしたかのように。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
808Res/714.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice