過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage saga]
2010/03/21(日) 17:00:04.07 ID:TgoUeT2o
だが。
(ちょっと待てこのやろうっ!)
駄目だ。上条がドアの前に立つより、ドアが閉まってしまう方が早い。
このままのスピードでは、文字通り、あと一歩間に合わない。
「扉が!」
真紅が叫ぶ。
結界の何たるかは知らずとも、どういうものかの察知はついていた。
あの扉が閉まれば、やっかいなことになる。
ホーリエに命じようと真紅は左手を持ち上げ、
「・・・っ!」
その腕が凍りついたように止まった。
もう限界に近い上条の体にこれ以上の負担をかければ、それこそ命がどうなるか。
迷いが真紅の心を縛り、それ以上彼女は動けない。
「このっ、ふざけんっなぁっ!」
しかし上条は一瞬たりとも迷わなかった。
彼は右足を一歩として踏み出す代わりに、体を限界まで捻って蹴りを放った。
ドアは動いている。結界内では、『コインの裏側』から『コインの表側』に影響を与えることはできない。
だが、今現在動いているものに触れることができれば、三沢塾で経験したように『引っ張られる』こともある。
うまくいけば中に入ることができるかもしれない。
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