10:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/05(水) 21:59:18.08 ID:fTbLwVYo
でもアイツは私の様子になんか一切気を配る事なく言葉を続けた。
「すまん。いつもと違う格好だから分からなかった」
……ああ、なるほど、ね。
つまりアイツは必死にうちの制服を探していた訳だ。
確かにあれは無駄に目立つし、なんかオーラっぽいものを周囲にばら撒いてるらしい。
私は着慣れてるせいかよく分かんないんだけど。要するに目印にするにはちょうどいいのだ。
なんか釈然としない部分もあるけど今日のところは私を無視したことについては許してあげる事にした。
けど、それとこれとは別だ。
「……アンタ、もっと他に言う事ないの」
そう言う私は、我ながら可愛くない顔だと思う。
じと目でアイツを睨むように見ながら私はいかにもな仏頂面で押し殺すように言った。
私の言葉にアイツはしばらく頭の上に疑問符を浮かべていたが、やがて納得したような表情を一瞬浮かべ、そしてすぐにどこか気拙そうな顔で顔を逸らせた。
慌てたように肩に置いていた手を離し、それから何やら口をもごもごと動かした後、いつもと少し違う声色で私にこう言った。
「あーその……似合ってんじゃあないっすかねぇ……」
……もしかして照れてるんだろうか。
だとしたら少し可愛くもある。
コイツの照れた表情なんてそうそう見れるものでもないだろうし、私は思わず悪戯っぽい笑みを浮かべてしげしげと覗き込んでしまう。
それがアイツの気恥ずかしさを助長させるのか、誤魔化すような憮然とした表情でそっぽを向いてしまった。
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