17:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/05(水) 22:54:38.18 ID:fTbLwVYo
顔が真っ赤になっているのにも気付かず、私は混乱した頭でようやく理解した。
待ち合わせの場所からアイツを引っ張って逃げたときから今までずっと手を繋いだままだったのだ。
よくよく思い返せば注文の際アルバイトっぽい店員のお姉さんが得も言えぬ苦笑を浮かべっぱなしだったような気もする。
愛想の悪い店員だなとか心の隅で思ってた私がバカのようだった。
「ポテトうめー。冷めると途端に不味くなるのになー」
そんな私の心中など知る由もないアイツはさっさと席に着いてフライドポテトをぱくついていた。おい待て。それは私のだ。
「ちょっとアンタ何勝手に食べてんのよ!」
「少しくらい別にいいじゃねえか。ケチ」
「け、ケチ……!? アンタそんなに食べたいなら自分で頼みなさいよ!」
「百円のだけで済ませようとしてる俺の財政状況分かってて言ってますかねえっ」
「知らないわよそんなの!」
そんな他愛もないいつもの応酬。
お陰で私の頭からはつい一瞬前まで考えていた事は吹っ飛んでしまった。
見ればアイツの前に並ぶのはおなじみの百円シリーズばかりだった。
もちろん飲み物はおかわり自由のコーヒー。あ、チョコパイ復活したんだ。
「なーんか見てて悲しくなるわねー」
「同情するならポテトくれ!」
「まだ言うか……」
そこまで言うなら頼みなさいよ、ほんと。中学生にタカるとかアンタ悲しくならないの。
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