過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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2:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2011/01/05(水) 21:41:20.03 ID:fTbLwVYo
「…………うぅぅ」

広場の雑踏の中、私はベンチに腰掛けてさっきから一人で唸っていた。

祝日の賑わいは普段なら何か気分をウキウキとさせてくれるものだけど、今の私には逆効果でしかない。
周囲のざわめきはいらつく私の神経を逆撫でするだけだった。

学園都市を挙げてのお祭りの熱気も、秋風と衣替えと一緒にどこへやらいってしまったようだ。

風はやや冷たく秋めいていて、もう一週間もすればきっと寒いと感じてしまうだろう。
日本の四季の移り変わりは早い。

どうせならもうちょっと堪能させてくれてもいいものなのに、最近は猛暑の夏と極寒の冬の間のちょこーっとだけしか春と秋がない気がする。
気合を入れて吟味した秋物は下手をすると一回しか着る機会がないかもしれない。
元から着る場面なんてほとんどないけどさ、せっかくなんだしもうちょっと待ってくれてもいいじゃない、ねえ冬将軍。

などと思考をあらぬ方向へ逃避させているのは理由がある。
他でもない、私が今こうして休日の繁華街に一人でいる理由だ。

待ち合わせ。

私は人を待っている。
このなんともいえない気分の原因もそれだ。

携帯をいじったりして気分を紛らわせているけれどカチカチと押す指は意味を持たないものだ。
私自身何がしたいという目的を持っていないのだから仕方ない。
時折アドレス帳を開いてメールでもしようとするけれど、少し考えてやっぱりやめるのだ。


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