過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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20:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/05(水) 23:09:26.65 ID:fTbLwVYo
「ま、それならそれでいいんだ。またなんか厄介な事が起きたとかそういう事じゃないんだな」

……驚いた。アイツは理不尽な呼び出しに腹を立てるどころか、私に何か起こったのではないかと心配していたのだ。

心配されるような事は、ある。
現に私は何度かアイツの言う『厄介な事』に巻き込まれたり口を挟んだりしているのだ。
そして何度か……アイツはそれに対して割って入っている。その事は他でもない私が一番知っている。

アイツはそういう奴だし、これからもそうだろう。
けれど誰よりもそれを望んでなんかいない。だからこそ一番にその状況を危惧したのだ。

確かに電話した時、私は切羽詰った感じで一方的にまくしたてていたような気がしないでもないけど、それにしたってお人好しにもほどがある。

なんたって本気で、愚直なまでにまっすぐに私を心配してくれたんだから。

私を。

「……」

私は急に気恥ずかしくなって、キャラメルラテに口をつけて誤魔化した。

エビフィレオセット、七九〇円ナリ。
注文するときにアイツが横で珍獣でも見るような目をしていた気がするけど、いいじゃない別に。何頼もうが私の自由よね。

コーヒーの苦味とミルクとカラメルの甘味が舌先を焼く。
どこか柔らかい気がする液体。嚥下するとほの甘い温もりが喉を通り過ぎ胸を暖かくした。
ほう、と息を吐く。うん、ちょっと落ち着いた。

「感謝しなさいよね。私が直々に相手してあげるんだから」

「はいはい……」

「何よその反応! もっと嬉しそうにしなさいよ!」

「わ、わーい! やったぁー!」

いかにもわざとらしい仕草でやけくそ気味に万歳する。そりゃそうだ。

アイツは今日補習で学校に行かなきゃならなかったのに、私が理由もなく呼び出したお陰で出なきゃいけない補習を放り出して先生に土下座して全力ダッシュするはめになったんだから。
それと、いらない心配をかけてしまった。どう考えても私のわがままに振り回されてるようにしか見えない。


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