過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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3:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2011/01/05(水) 21:44:29.37 ID:fTbLwVYo
「はぁ……」

待ち合わせの相手はもう二十分も時間に遅れている。

元から覚悟していた事ではあるけれど、案の定というかなんというか、期待を裏切ってくれない。
先に来て待っているくらいの気概を見せてくれてもいいのに。

ちなみに私は待ち合わせの十五分前にはこの場所に着いていた。
つまり三十分以上こうして待ちぼうけているのだ。

肌に感じる空気は夏の色を失い、やや肌寒くもある。
あまり露出の多い服ではないが待ち合わせを路上に指定したのは失敗だったかもしれない。
喫茶店で有線から流れる音楽を耳にお茶でも楽しんでいた方が幾らか気分も紛れただろう。何より周囲の目を気にしなくて済む。

先ほどから何人か、チャラチャラした雰囲気の男が値踏みするような目で見てくるが、私の放つ剣呑な気配を察してか幸いにも声をかけてくるような無謀な輩はいない。

これで私服でなかったら今頃確実に私の周りには何人かの屍が転がっていただろう。
ブランド物は確かにステイタスだが、こういう場所で見せるのはバカどもへの撒き餌でしかない。

さすがに私もそれくらいは学習している。第一いつもの制服では見栄えが悪い。
その方が無難ではあるけれど、やっぱりそれなりに気合を入れなければ。

気になって私は自分の服装を見直す。
先日、というか昨日、知り合いの高校生のお姉さんにわざわざ付き合ってもらって吟味したものだ。

不本意だが、私が一人で買い物に行くと気に入った物を片っ端から買ってしまって結局どれをどう合わせるかとか困ってしまうし、その上どうしてだか周囲のウケは悪い。
その点彼女は落ち着いた雰囲気のいかにもな『お姉さん』で、その上私の知り合いには珍しく彼氏持ち、らしい。
こういう事を相談できる数少ない、というか唯一といっていいほどの人材だ。

そんな感じで一も二もなく泣きついたのだが(服装に関して考えが至ったのが約束を取り付けてから、つまり昨日の事だった)彼女は快く承諾してくれて、
仕事もあるのにわざわざ適当な理由をでっち上げてまで付き合ってくれたのだ。

彼女の仕事、風紀委員の同僚には私の友人やルームメイトがいるのであまりおおっぴらに言えなかったのだが、そこは上手い事やってくれたようだ。
先輩様々だった。今度何かお礼をしなくちゃ。


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