34:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/09(日) 14:57:06.71 ID:ebftp9go
「あ、そうだ」
私は目の前の景色にある事を思い出し、くるりとアイツの方へと向き直った。
「ちょっと見てきたいところがあるんだ」
その言葉にアイツは肩をすくめ。
「おう。どこでもいいぜ。どうせ俺の行く場所なんてオマエには面白くもないだろうし、オマエが行きたい場所の方が俺としてもありがたい」
そんな事をおどけた調子で言うのだ。……ま、最初から期待なんかしてないけどね。
アイツにそんな器用な真似ができるとは思わないし。別に、全然、まったく、これっぽっちも、期待してなかったから。
うん。ごめんなさい嘘です少しだけ期待してました。ごめんなさい結構、ううん実はかなりしてました。
「んで行きたいとこって?」
相変わらずアイツは分かってるのか分かってないのか、多分まったく分かってない様子で訊いてきた。
まあここで察しろというのも酷な話だ。特にアイツにとっては。
私はにまっと悪戯っぽく笑い、すぐさま踵を返すとそのまま何も言わず前方に見える信号の方に向かって軽やかに駆け出した。
「あ、おい!?」
背後にアイツの慌てたような声が聞こえるが足を止めない。
そのまま交差点を右に。曲がる時に横目でちらりと見ると、慌ててアイツが追いかけてきていた。うんうん。
目的地は角を曲がってすぐ、二件目だ。こじんまりとした書店を過ぎ、そこで私は足を止める。そして。
「きゃあああああっ」
思わず悲鳴を上げた。
あ、うん。白昼の往来だしそれなりに抑えてはいるわよ? でも出ちゃうものは仕方ないじゃない。
「どうしたっ!?」
慌てたアイツの声が聞こえた気がするけど私にはもうそちらに気を向けられるほどの余裕はなかった。
どうしてかって? 目の前の凶悪極まりない代物から視線を逸らすなんてできっこなかったのだ。
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