379:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/25(金) 01:59:08.72 ID:frP9IS9io
だがショチトルは顔色一つ変えず、身構えようともせず、冷めた目を博士に返していた。
「――勘違いしているようだが、どんな武器をどれだけ使おうが関係ない」
その言葉に博士の笑顔が凍り付いた。同時に体の動きが停止した。
だというのに、『オジギソウ』のコントローラーを持つ手がびくりと痙攣する。
「残念だったな、『博士』。私を傷つけようとした時点で貴様の死は確定している。
貴様は不運だよ。そこらの魔術師が相手なら貴様の知的好奇心も満たせたかも知れんが――相手が悪かった」
ぐねり、と。
ショチトルの胸元、赤いセーラー服から覗く肌が蠢いたように見えた。
サイケデリックな騙し絵を見たような錯覚に博士は得体の知れない寒気を覚える。
、 、
「これは貴様程度に理解できるほど生易しいものではない」
彼女の言う事は真実だろう。
世界樹 ニーズヘグ
これは世界を犯す病毒だ。システムの根幹を蝕む最悪の毒蛇。人の身では対抗できない怪物だ。
だが博士は、科学者として、真実の探求者としてその言葉を受け入れる事ができなかった。
それを認めてしまえばそのままアイデンティティの否定に繋がる。故に博士は熱病のような嫌悪感と惑乱に苛まれていた。
びくん、と指が博士の意思とは関係なく反射的に跳ねる。
その動きはコントローラーをひとりでに操作するもので――。
「――呪うならば自身の探究心を呪え。そして絶望し、死ぬがいい」
見えない雲霞のような機械が、一切の感情もなく主に牙を剥き、音もなく喰らい付いた。
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