403:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/08(火) 22:30:15.50 ID:1t3J3sr+o
しん――――と不自然なまでに所内は静まり返っている。
それがどうにも不安を掻き立てる。
気配というか、空気というか。
具体的にどんな、とは言えないが、得体の知れない嫌な感じが充満しているように思えた。
いくら祝日とはいえ休日返上で稼動していた施設だ。
照明は点灯している。それは誰かがスイッチを入れたという事だ。
全自動という線も考えられたがそれはないと踏む。便利だが、コストパフォーマンスが悪すぎる。
だが周囲には、職員の影も見えず、物音もしない。
人の気配が一切なかった。
まるで怪奇小説にしばしば登場する幽霊船のようだと場違いな事さえ頭を過ぎる。
ついさっきまでそこで仕事をしていたはずの職員が一瞬のうちに残らず宙に掻き消えたような。
馬鹿な妄想だ。人は消えない。マジックには必ず種も仕掛けもある。
だからこの妙な状況にも必ず何かしらの原因があるはずだった。
マジック
(本当に魔法が存在しているなら別だがな……)
言うまでもないが、浜面はそんな夢みたいな事は信じてはいなかった。
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