432:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/10(木) 22:22:03.56 ID:BKb66g/qo
(『スクール』に彼がいた。『アイテム』については言うまでもなく)
黙考しつつ絹旗は足音を立てないように靴底に能力で作った空気の膜を作りながら歩く。
無意識の内にそうしていた事に少し歩いてから気付き、浜面に偉そうな事を言った手前どうにもばつが悪かった。
しかし無意識の内にそうしているのであれば止めるには意識しなくてはならない。
些細な事だがその程度の事に頭のリソースを割くのは賢明ではないと判断し絹旗は思考を他に回した。
(とすれば、他の組織にも『ご同類』がいる可能性が超高い)
背筋を何か冷たいものが撫でる。
滝壺のそれではないが――具体的な証左が何一つないのに絹旗は敏感に場の空気を感じ取っていた。
(なんか……超超超嫌な予感がします。冗談じゃない)
それは確信とも呼べる、ある種の予知じみたものだったのかもしれない。
「――滝壺さん」
振り返らずに絹旗は背後の少女に向かって言葉を投げる。
「この感じ、どうも超キナ臭いです。……可能であれば滝壺さんも警戒してください。私よりもあなたの方が索敵に超向いています」
「おい絹旗。滝壺もこの状態じゃ――」
「浜面は超黙っててください。それに可能であれば、と言っています」
口を挟んだ浜面の言葉の上からぴしゃりと言ってのけ、絹旗はさらに続ける。
「浜面は分からないでしょうけど……私の勘が正しければ本当に超ヤバイ相手なんです。
下手をすれば超能力者七人以上に異常な相手とやりあわなきゃならないんですから」
自分が前衛を努めているのにも理由がある。
『何か』があった場合、絹旗が最も対応に適しているからだ。
防御力だけではない。戦闘力だけではない。
経験――単純にその一点だけで絹旗が対応するのが最善なのだ。
751Res/479.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。