440:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/11(金) 03:05:59.00 ID:NFDgMTeoo
常々思っているのだが、どうしてこうも能力者連中は自分の手の内を簡単に明かしてしまうのだろう。
自分のアイデンティティに直結するからだろうか。能力こそ彼らの自尊心、誇りそのものなのだろうか。
能力は一人につき一つきり。それは覆せない大前提だ。
だから手の内を明かすという事は己の弱点を見せ付けるようなものだ。
(こいつは別に目に見えない念動力が使える訳でも手からビームが出せる訳でもない)
鋸を見せたのは脅迫のためだ。目に見える武器は場を演出するための小道具でしかない。
そう、人を殺すには別に能力を使わずとも銃弾の一発で事足りるというのに。
最初から殺すつもりなら空間移動で死角に回った直後に一撃で終わるのに彼はそうしない。
、 、 、、 、 、 、 、、 、 、 、
逆説的に、空間移動しか能がないのだ。
なのにこの体たらく。彼は自らのいる場所をきちんと理解しているのだろうか。
偉そうに口上を述べている暇があればさっさと背をさせばいいというのに。
所詮、この程度。
彼はこちらに向けて言葉を投げている。
意識はこちらに注がれている。
彼の意識はこちらの背に向いていて、しかし彼自身の背には。
(だったら楽勝だ。なあそうだろう――)
絹旗、と。
小さく唇を動かすだけで彼の知る限り最強の大能力者を呼び、浜面は抱きかかえた滝壺を押し倒した。
「――っらァァああああああああああああッッ!!」
ごっ!! と大気が悲鳴を上げ、浜面の頭の上を何かが物凄い勢いで通過していく。
鉄壁、『窒素装甲』をその身に纏った絹旗が小さな身を宙に躍らせ、査楽の背に全力の飛び蹴りを放ち吹き飛ばした。
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