491:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/22(火) 02:17:41.02 ID:0XJSmiZXo
その言葉を合図とするように査楽の姿が虚空に掻き消える。
学園都市に五八人しかいない空間移動能力者。
高次元関数を用いる特殊な演算と、それを処理するだけの演算力を持つ空間移動能力者はその名だけでも充分な脅威だ。
その上、彼が『暗闇の五月計画』の被検体と言うからには超能力者級のスペックを持っているのだろう。
トリック
しかし既に種は割れている。
必殺の一撃を放てるはずの空間移動能力。
物体が能力によって移動した際に起こる出現空間への割断は防御不可能の一撃だ。
絶対防御を誇る絹旗の『窒素装甲』であろうと、相手が三次元に捕らわれる以上不可避の断裂。
紙切れ一枚でダイヤモンドを断ち切れるというその能力の殺傷力は伊達ではない。
だというのに。査楽はそれをしようとはしない。
滝壺は元より絹旗に対して非常に相性がいいはずのそれを行おうとはしない。
空間移動能力者であるはずなのに普通の武器を持ち、そして未だに浜面は生きている。
(……なるほどな。やっぱり、そういう事か)
とっ、と背後で起きた小さな音。
それは空間を移動し浜面と滝壺の背後に現れた査楽の靴底が床を叩く音だ。
不意打ちであれば効果は絶大だろう。
だが査楽の行動は予想の範疇でしかない。
、 、 、、 、 、 、 、 、
最初から後ろから攻撃が来ると分かっていればどうという事はない。
むしろどこから攻撃が来るのか教えてくれているようなものだ。
バックスタブ
(『背後からの一撃』……オマエら能力者ってのはいつもいつも――)
だから浜面は微塵も動揺せず振り向き様にナイフを振るった。
(名前の時点でネタバレなんだよ――っ!)
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