過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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647:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/10(火) 00:12:21.68 ID:hadbDVPSo
査楽は緊急退避用の最後の手段として残していた『避暑地』、馬場の背後への移動を行った。

査楽の能力は相手の背後に回るという特性を持つ。
そこに滝壺と同じAIM拡散力場を代入する演算方法を組み込みば、それを基点として空間移動を行う能力を持つ。

AIM拡散力場に干渉する空間移動能力。
それが査楽の持つ人為的に強化された能力だった。

しかし相手の位置を確認できない以上、空間移動には『埋め込み』の危険が伴う。
だからこそ最後の手段として残してきたが――。

「ぐっ…………!」

超長距離の空間移動は酩酊にも似た吐き気を伴う。
だが体に違和感はない。どうやら壁の中などではなく、開けた空間に出る事に成功したようだった。

背と右手を貫く痛みに演算を失敗する可能性もあったが、麦野から逃れる事を考えれば天秤にすら吊り合わない。
どうやっても太刀打ちできない相手。それが超能力者だ。
博打に近いものではあったが賭けには勝ったようだ。

「お――っげぁ――」

度を超えた能力の負荷に耐え切れず、堪らず嘔吐した。
膝を突いた査楽の視界に広がる見るからに高級そうな絨毯に胃液と未消化の内容物がぶち撒かれる。

「がっ、げほっ、ぐぅ……!」

脳に激しい痛みを感じる。
しかしそれもだが、背と右手の傷を治療しなくては。

「馬場……っ。ぐうっ……負傷しました。医療用の、ロボットがあったでしょう……出してください……!」

内臓を損壊している可能性がある。
即死こそしなかったものの今まさに査楽は死へ向かって緩やかに転落しつつある状況かも知れないのだ。


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