65:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/15(土) 20:15:24.81 ID:i9Jg8O//o
その真意を測りかねているのだろうか。
アイツは狼狽するような顔と仕草を見せ、そのまましばらくの間沈黙が続いた。
「……」
ふ、と息を吐く。
どこか達観したような諦念が私の胸にあった。なんか、うん、まあいいや。
それは投げ遣りなものではなく、仕方ないと漠然と理解して私は手に持ったストラップをワゴンに戻そうとして――。
「あ」
横からさっと伸びた手によって私の持っていたストラップは奪われてしまった。
慌ててそちらを振り向けば気の早いアイツはすでにレジに向かって歩き出していた。
「いいの……?」
学ランの背中に問いかける。
アイツは私のほうを振り向かないまま足を止め、少しだけ躊躇するような素振りを見せた後。
「……たまにはな」
ぼそりと、そんな事を呟いた。
それ以上お互いに言葉を交わす事はなく、私はレジに向かうアイツの背中を呆然と見送っていた。
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