過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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668:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/18(水) 02:21:08.70 ID:32iMxubGo
「な――――」

突然現れた少年。
彼の腕に抱かれ絹旗は呆然とするしかなかった。

彼、垣根は絹旗の属する『アイテム』とは別組織、『スクール』のリーダーだ。
ならば敵対する事こそあれ、絹旗を助けるなど考えもできなかった。

だが現に、垣根はこうして上層から落下してきた絹旗を両腕で抱き止めていた。
その行動に敵対する意思など微塵も感じられない。いや、それこそが彼の特性なのかもしれないが――。

「あれ、引いた? ちょっと格好付けすぎたか?」

垣根はおどけるように嘯き、そして笑う。
屈託のない、あどけない少年のように。

「どォして――」

絹旗は思わずそう口にした。

何故この場に現れたのか。何故彼が自分を助けるのか。何故そうも笑っていられるのか。それが分からなかった。
垣根からしてみれば絹旗などどうでもいいような雑魚に過ぎない。その程度の客観的事実は理解している。
他でもない超能力者。それも麦野を上回る序列二位。彼が絹旗を助ける理由など思いも及ばなかった。

「なんで助けるのかって? そりゃあほら、あれだ」

垣根は呆然とした絹旗に微笑み告げる。

「昔から言うだろ――オマエの物は俺の物って。ならアイツの仲間は俺の仲間だ」

暴君のような三段論法を持ち出して垣根は笑う。
いや、三段論法にすらなっていない。彼が言う『アイツ』と彼との関係は――。

「テメェの女を泣かせるなんて三下のやる事だ。
 いい男ってのはな、何も言わずに勝手に全部カタ付けてればいい。そうすりゃ勝手に笑ってくれるさ。
 まぁ階を一つ間違えたのはご愛嬌って事で。結果オーライだし問題ねぇだろ? あ、これオフレコ。麦野には内緒な?」

彼女の名にようやく絹旗は合点する。

そう、垣根は――。

「だから助けに来たって言ったろ……ピンチに颯爽と現れた王子様に惚れちゃった?」

「一言多いンですよ」


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