過去ログ - 上条「身体が……熱い」
1- 20
10:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2011/01/08(土) 15:41:22.43 ID:JeVAPgDO

──時計を見る。もうすぐ八時を回りそうだ。完全下校時刻が大分前に過ぎていて、周りを歩く人も昼のそれに比べて格段に少ない。

上条はそんな街並みを見ながら、少し期限良さそうに歩いていた。同居人は担任のロリ教師に誘われ、現在絶賛焼き肉中。そのまま泊まるらしいので、久し振りに一人が満喫できるというこれからの事も含めてご機嫌指数は良好線を指していた。

「……御坂、か」

ふと呟く。超電磁砲こと、御坂美琴。学園都市第三位の実力者であり、常磐台という名門校に通うお嬢様。

ふとした成り行きで、今日は一緒に食事を摂ることになった。一見完璧超人のように見えてまだまだ子供のようでもあり。上条はどちらかと受けた印象の中で後者の方が強いのだが。

いつ、どこでどう出会ったなんて、上条は知らない。『忘れた』とか『思い出せない』ではなく、『知らない』のだ。『思い出せない』は厳密には間違ってないのだが、思い出す事が『できない』。現在の同居人であるインデックスという少女を助けた際、彼の脳細胞は傷つけられ、今まで経験してきた『思い出』というカテゴリーの内容が全て切り取られてしまっていた。

上条当麻という人間が一度死んで、生まれた。

それから大分時間が経ち、恐らく上条という人間の中で主要とされてきたであろう人物達には一通り会ってきたのだが、記憶喪失という事はとりあえず隠せている。

以前の上条がどういう生き方をしてきて、どういう考え方をしてきたか。今となっては知る術はないが、最初の方はやきもきした。

借り物の自分が今している行動は正解なのか、自分を見る人達はどう見えるのか。答えのない答え合わせをしていた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
960Res/577.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice