20:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2011/01/08(土) 20:01:57.68 ID:JeVAPgDO
何とか逃げ切った道すがら、上条はいつもの公園に差し掛かる。そびえ立つ建物をすし詰め状態にした学園都市にしては珍しく中々の広さの公園で、街を歩けどあまり見ることのない緑が心を落ち着かせてくれるようで、上条はここを通るのが密かのお楽しみだ。
「(やっと見つけた!)ね、ねぇ」
……高確率でその途中横槍が入るのだが。
「御坂か。おっす」
「……おっす」
手を上げ、声を掛けてきた人物に挨拶をする。これだけで相手の顔が赤くなる意味が分からないのだが、と上条は相手の真意を掴みかねていた。というか掴むことのできる人間だったならば、彼の人生は大きく変わっているのだろうが。
「帰り?」
「ん、んん、まぁそんなとこ」
上条としては自分が病院に行くと言うことをあまり言いふらしたくない。彼の性格上であるのか、余計な心配かけたくないと言うのがあった。それが誰に対してあれ、だ。
「御坂は?」
「あ、えと、その……私も帰り(待ち伏せしてたなんて言えるわけないじゃない///)」
「そか」
上条当麻という男は変な所で敏感でもある。言い淀む姿に上条は怪訝に思うのだが敢えてスルー。何か厄介事に巻き込まれている様子でもなかったためそこは追求しなかった。
「じゃ、じゃあ今から暇よね。ちょっと私に付き合いなさいよ」
「何を基準に決めつけてんだよ」
暇じゃないしな、と付け加えて上条は答える。
「何の用事があるのよ」
「んー、別に大した用事じゃないけど。悪いな、また今度な」
来たときと同じように手を上げ、上条は走った。公園に備え付けられている時計に目をやると、15:30を指している。なるべくなら、早めに行って早めにすまそうと考えていた。
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