734: ◆LKuWwCMpeE[sage]
2011/02/06(日) 17:38:13.58 ID:Zqh8XHEDO
「お、お姉様がもう一人!?それにこっちは小さなお姉様なんですの!?」
その二人に黒子はまた驚き、そして察知する。
クローン────。
先ほど耳にしたあの単語。
そっくりなこの二人は、恐らくそうなのだろう。
だがジャッジメントと言う気持ちからか、今はそれよりも一方通行と同じく、危険なこの場からどうにかせねばならないと言う思いが先行した。
「あの人、代理解除振り切っちゃったよ!あなたはどうするの!?」
打ち止めが叫ぶ。
「テメェらはどっか避難してろ!」
一方通行は答え、チョーカーのスイッチを入れた。
──チッ!!充電が残り少ねェ…………!
チョーカーに残された充電ももう残り僅かしかない。
相手は幻想猛獣の様なものだ。
しかも恐らく、自分なんか比較にならない程の力を持っているのだろう。
しかし、だからと言って引ける訳は無い。
暴れるかどうかは分からないが、完全に形成されたそれを見る限り、恐らく暴れるだろう。
「グルルルル………………」
翼を生やし、大の大人の二倍くらいはあるであろうその身体。
獰猛な牙と爪を剥き出しにして、辺りに視線を送っている。
そして、一方通行を先頭とする集団が目に入った瞬間、竜はその口を大きく開けた──────。
「グアアアアッッ!!!」
「クソッ!?」
竜の口から火が飛び出し、一方通行は食い止めようと手を突き出した。
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