929: ◆LKuWwCMpeE[sage]
2011/02/11(金) 23:46:11.44 ID:IZ5RBuRDO
「能力、ですか…………この人もさぞ凄い能力者なんだろうなぁ……」
それを聞くと、佐天は少し複雑な顔をしていた。
能力というワードに反応した様で、何かコンプレックスでも抱え込んでいるのだろうか、と一方通行はその呟きに感想を持った。
「凄いなんてものじゃありませんの。230万人の中の第一位なんですの」
「「ええっ!?」」
黒子の言葉に反応したのは佐天だけではなく、お花畑…… 初春の声も混ざっていた。
「だだだ、第一位!?そんな人が何でこんな所に!?」
特に佐天の驚きは半端ない。
その大きな目を更に大きく開かせて、一方通行に指を差して口を大きく開けていた。
何気に失礼な行動にも見えるのだが、一方通行は気にしない。
それよりも早く帰りたいとばかり思っていて、ぶっきらぼうに窓の外をじっと見ていた。
「どんな能力なんですか!?」
まるで有名人を見つけた!とばかりに一方通行につかみ掛かる勢いで尋ねる佐天に目を移して、舌打ちを打った。
面倒臭いが、答えてやった方が早そうだ。
「ベクトル操作」
「ベクトル、操作…………?」
パッと言われた言葉に首を傾げ、反芻する。
何だかよく分かんない、という表情をしているのは分かった。
「あらゆる熱量、光の量、運動量、電気の量とか色々なベクトルを操作できるんだよってミサカはミサカは説明してみるっ」
「言うなればチートもやしです、とミサカは付け加えます」
いちいち御坂妹の言い方に眉がつるのだが、怒るのも面倒臭い。
「そうなんだぁ…………まだよく分かんないけど、凄いんだね、第一位だし」
「…………」
やけに第一位につっかかるな、という印象を一方通行は持った。
顔を見れば悩み事があるかの様な、そんな表情。
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