過去ログ - 10666「これが超電磁砲……」2
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236:伊吹 ◆LPFQRD/rxw[saga]
2011/01/22(土) 21:23:04.61 ID:uC4N3zcAO
夢を見ていた。
「ほい」
「ありがとうございます」
少し肌寒い、明け方。紫の空が広がる中、私たちは何という訳でもなく散歩に出た。
暖かいジュースを買い、手渡す。ただそれだけで、それなりに暖かくなった。
「隣、失礼」
「はい、どうぞ」
紳士風におどけて言ったらご丁寧にご丁寧な口調で返ってきた。知らず、笑みが零れる。
彼女の隣、ベンチに座る。パキリ、とプルタブを空ける音が二つ。一人はグイ、と。もう一人はコクリ、と。一口目を咀嚼する。
「寒いな」
「暖かいです」
「そか」
言ってて少し照れ臭い。隠す為に仕方なし、照れ笑い。こら、こっち見て笑うな。
ここに来た意味は無い。ここに来る意味も無い。
ただ、誰といるか。それだけが大切で、それ以外はどうでもいいのだ。
穏やかで、緩やかで、安心する。
「美味いな」
「えぇ」
世界は平和だ。少なくとも私にとっては、だが。それが全てではいけないのだろうか?
偽りは、許されないのだろうか。
――――
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