過去ログ - 10666「これが超電磁砲……」2
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249:伊吹 ◆LPFQRD/rxw[saga]
2011/01/24(月) 00:18:48.63 ID:1Ax1vcRAO
13510「ふぅ、ずっと寝ていては身体が鈍ってしまいます」

病室に据え付けられている、清潔そうなベッドから身を起こす。一つ伸びをして、立ち上がった。

13510「んー、体中がポキポキいいますね……」パキポキッ

体を動かす度に、骨が微かな講義の声を上げる。さながら、身体ストライキといった所だろうか。

10666「へっ、随分面白い楽器なもので」ニッ

13510「音楽会では大活躍なんですよ?」ニコッ

背後から、聞き慣れた声が聞こえる。我が同居人にして、家族。大切な人。意地の悪そうな、でも憎めないそんな笑顔を見て、私も自然に笑みが零れる。

10666号は、あの世界から私を救ってくれた。誰もかれも、私すら私を知らなかった世界で一人、私を教えてくれた。私は私で良い、証拠は自分だ。と。

ただ、無事とは言わなかったみたいで、お腹に僅かな傷があった。それももうじき治ってしまうと言うのだから、冥土返しの凄さを感じてしまう。

13510「10666号は動けそうですか?」

10666「いや……大丈夫そうに見えて、これがなかなか。起き上がるぐらいが精一杯かな」

13510「10666号……」

気丈に振る舞う彼女を見るのは辛い。それなら、まだこちらに不安を吐露してくれる方が良い。
そんな内心を読み取ったのか、彼女は笑って言った。

10666「そんな顔しなさんな。冥土返しならあっという間だし、本当に大した傷じゃない。だから、泣くでもなく落ち込むでもなく、笑いやがれ。な?」ニッ

13510「えぇ、分かりました。では……」

10666「そうか、検査だったな……待ってるよ」

10666号を部屋において、冥土返しの部屋に行く。少し寂しいが、無理を言って彼女の怪我が悪化してしまうのは良くない。歩く足も、少し、重い。

13510「失礼します」

二度のノック、返事は聞かずにドアを開けた。ちょうど椅子を反転させ、こっちに向き直る冥土返しと目が合う。

冥土「やぁ。調子はどうかな?」


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