360:第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs[saga]
2011/02/19(土) 23:44:10.15 ID:9ozMR/x50
次の瞬間、けたたましい音を立てて扉が開かれ、二つの影が飛び込んできた。
彼らは手に持った買い物袋を玄関に放ると、土足のまま弾丸のようにリビングに踏み込んできた。
「竜ちゃん、無事か!?」
「私たちが来たからもう安心だよ!!」
叫ぶように声を上げた上条とインデックスだったが、竜王の姿を見た途端に雷に打たれたように
動きを止めた。
彼らは目を見開き、ポカンと口を開け、間の抜けた表情を晒している。
竜王はと言うと、「ひぅっ」 と小さい悲鳴と共に小さく飛び上がり、もう一度尻餅をついた。
その衝撃で涙が一筋、彼女の頬を伝った。
「……竜、ちゃん? その格好は何なんでせうか?」
その上条の一言に、竜王は自分の体を隠すように抱きしめた。
「み、見ないでぇ……っ」
そう小さく言う彼女の肩が震えた。
彼女の眉間にしわがより、怯えたように細められた目からもう一筋涙が零れた。
その涙に、上条とインデックスは慌てて口を動かした。
「あ、えっと……外から凄い光が見えたから何かあったのかって思って……だからその……」
「魔術師か何かに襲われてると思ったから、それで……」
沈黙が降りた。 上条とインデックスはすっかり混乱してしまい、かける言葉が見つからない。
二人の視線が落ち着き無く部屋中を巡り、やがてほぼ同時に竜王に投げられた。
彼らは引きつった笑顔を浮かべて、
「あの、竜ちゃん……そのカッコ似合ってるよ」
「そ、そうかも! ほら……魔法少女みだいだよ」
それが引き金になった。
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