362:第十六話 『聖天使ペタメイド』 ◆iH7bNFBwQs[saga]
2011/02/19(土) 23:46:30.30 ID:9ozMR/x50
「あなたとお散歩楽しいな、ってミサカはミサカはスキップしてみたり」
「ちったァ落ち着けよクソガキ」
人通りの無い公園を、彼ら二人は歩いていた。
どこに行くという目的は無くただ足の向くままにふらつく自分に、一方通行は不思議な感覚を覚えていた。
「悪かねェな」 と一方通行は口の中で呟いた。
その彼の前で、打ち止めがくるくると踊るように回転する。
「落ち着けっつったろうが。 今に転ぶぞォ」
「だぁーって、あなたとお散歩するの楽しいんだもん。
それにこのくらいじゃ転ばないよ、ってミサカはミサカのバランス能力を自慢して……っとと」
満面の笑みで答えた打ち止めだったが、その体が傾いた。
二三歩たたらを踏みバランスを失いかけるが、そこで打ち止めは大きく飛び上がった。
着地をし、ビシッと両手を上げた彼女は、そのまま一方通行に顔を向けると、照れたように笑った。
「えへへ……。 ね、ミサカのバランス能力凄いでしょ、ってミサカはミサカは照れ笑い」
「思いっきりコケそうになったじゃねェか」
「転ばなかったっていう結果を評価して欲しいな、ってミサカはミサカは求めてみたり」
「そもそも転ぶようなマネをすンじゃねェ……あン?」
ふと、明後日の方向に視線を投げた一方通行の眉が顰められた。
その彼に首を傾げた打ち止めは、その視線を追った。
「どうしたのあなた、ってミサカはミサカは……って竜ちゃん!?」
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