過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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18: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/01/12(水) 23:07:31.65 ID:KZdJ5BByo
ピンポーン。

唐突に鳴るインターホン。
ここに来てようやく気付いた。あぁ、沙織が焦ってたのは、ひょっとして“あいつら”が来るからなのか。沙織もあいつらと会うとき用の恰好だしな。
こんな簡単なこと、なんでもっと早く気付かなかったんだ。
恐らく沙織が異常に慌てていたせいだ。こいつがこんなに取り乱す所、久しぶりに見た気がする。

だが、仮にそうだとすると、どうしてもわからない疑問が湧いてくる。

「……あぁ…………もう手遅れ…………でござる」

全てを諦めたのか、がっくりと項垂れる沙織。
いったい何がそんなにまずいんだ? あいつらと麻奈実を会わせちゃいけない理由でもあるの?

ピンポーン。少し間を置いて再びチャイムが鳴った。

「あ、あのぉ……? お客さんだよぉ〜……?」

かちゃり、と音を立ててリビングの扉が開き麻奈実が顔を覗かせた。
えらく控えめに開けたところを見ると、俺たちが喧嘩でもしていると勘違いしていたのだろうか。

「お、おう。すぐ出るよ」
「あ! お兄様! せめて麻奈実さんをどこか――」

後ろから俺を呼びとめる声が聞こえたが、それを振りきり玄関へ向かう。
あいつらをこれ以上待たせたらどうなるかわかったもんじゃねえからな。

「悪い、待たせたな。いらっしゃい」
「ふん、出て来るの遅すぎ。ちゃんと玄関で待っとけっての」
「ふ……危なかったわね。出て来るのが後少し遅ければ――今頃この家は灰と化していたわ」

ほらな。すぐに出てきてよかったろ?

「ま、まぁとにかく上がれよ。沙織の部屋で待っててくれ。沙織もすぐ行くから」

そして俺は、桐乃と黒猫を我が家へと招き入れたのだが――

「あ、沙織ちゃんのお友達かな? きょうちゃんの幼馴染の田村麻奈実です。よろしくね?」

麻奈実を見た途端、桐乃の表情ががらりと変わった。
両目がクワッと吊り上り、鋭い視線が麻奈実を射抜く。
一方、黒猫はというと、

「クッ、出たわね……ベルフェゴール……」

と、わけのわからない事をのたまいながら戦慄の表情を浮かべている。
誰だよ、ベルフェゴールって。



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