過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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264: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/11(金) 22:14:34.75 ID:XdHsMWa0o
「どうしたもんかな」

片手で頭をぼりぼりとかきむしりながら、途方に暮れる。
俺は以前沙織に向かって、『俺は何があってもお前の兄貴だよ』と言った。
その言葉に嘘はないし、これからも相談に乗ったり、一緒に遊んだりしたいと思っている。

でも兄だからこそフラグは立たないし、俺があれこれと世話をやいてやれる時間は限られている。
だから、あいつは兄貴離れをしなくてはならない。今すぐにする必要はないが、心の準備は必要だ。
沙織はきっとこれから恋をして、結婚をして、俺とすごした時間よりも長い時間を旦那と歩んでいくことだろう。
そう考えると胸が少しちくりと痛んだ。しかし、そこから目をそむけることはできない。

「俺がなんとかしないとな」

沙織が本格的にヤンデレ化する前に。
妹が道を外れようとしたとき、叱って道を正すのが親の役目ならば、そんなことしちゃダメだろ? と親には内緒でこっそり諭してやるのが兄の役目だと思っている。
もちろん怒られるときは道連れにされてしまうわけだけど。俺はそれでもかまわない。
俺はあいつの兄貴なんだよ。



『…………自業自得ね』
「いやいや、どこをどう考えたらそんな結論が出て来るんだよ」

刑期を満了し、晩飯を食べた後、沙織の脱ブラコンについてさっそく黒猫に相談をもちかけた。
ちなみに今の黒猫の言葉は、俺が犯した罪とそれに対する罰に対する感想である。

『ブラコンの妹がいるというのに、どこの馬の骨とも知らない女を自室に連れ込むなんて……あなた、死にたいの?』
「馬の骨って……あのなぁ、別に俺はそういうつもりじゃ――」
『関係ないわ』

一応の言い訳を試みるが、それを黒猫の言葉が遮った。

『あなたがどういうつもりかなんて関係ない。知らない女があなたの傍にいた。それだけで不快になるには十分よ』
「…………」

黒猫は強い口調で俺を攻め立てる。まるで沙織の気持ちを代弁するかのように。
……俺よりよっぽど沙織のことをわかってやれているみたいだ。
でも、どうしてそこまで沙織の気持ちがわかるんだ? 同じ性別だから? 親友だから?
色々考えてみるが、どれもピンとこない。



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