過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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291: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/14(月) 21:58:59.78 ID:jopcByVxo
「えっ? そんな、いいですよ」
「気にすんなって。なにかあっても困るからな」
「……じゃ、じゃあお願いします」

少し申し訳なさそうに上目使いでお願いされてしまった。
さすがあやせ。俺が変質者になってしまいかねないかわいさだ。

あやせの家は思ったより遠く、歩いて行くにはいささか離れていた。

「すまん。けっこう遠いって知ってたら、待ち合わせ場所ももっと考えたんだけど」
「いえ、気にしないで下さい。私もあの公園にしようと思ってましたから」
「そうなの? なんでまた?」
「あの公園、すぐ裏手に交番があるでしょう?」
「あー、そういえばあったな。でもそれが何の関係があるんだ?」

誰かに命を狙われているわけじゃあるまいし。

「だって、お兄さんと会うんですよ?」
「いやいや! その理屈はおかしくないっすか!?」

なんで!? 俺、あやせに嫌われるようなことした!? なんで俺が変態みたいな扱いなの!?
……まさか、桐乃か!? あいつが俺のあることないこと、あやせに吹き込んだのか!?
あやせは俺のことを桐乃から聞いているみたいだし、恐らくそうだろう。
ちくしょう、桐乃め。あやせたん√へのフラグをへし折りやがって……。



「お兄さん、今日はありがとうございました」

30分ほど歩いてようやくあやせの自宅へと辿り着いた。

「いや、ろくなアドバイスできなかったけどな」
「そんなことないですよ。十分です」
「妹にいいアドバイスもらえたら電話するよ」
「はいっ。お待ちしてます」

じゃあな、と言って我が家へと足を向ける。
手を振るあやせの表情が、迷いを吹っ切ったかのように晴れ晴れとしていたのが印象的だった。



第十話前編おわり


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