過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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32: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/01/13(木) 18:40:37.62 ID:Z9ITKrREo
俺と麻奈実がリビングでお茶を飲んでいると、ほどなくして二階からバタバタと騒がしい足音が響いてきた。
同時に誰かが何か叫んでいるようだが、聞き取れない。
「なにやってるんだ? あいつら」
今までは騒ぎこそすれ、ひとんちで走り回るなんてことはしなかったってのに。
「沙織ちゃんたち、楽しそうだね〜」
「……ああ、そうだな」
どうやらおばあちゃんは、子供たちが元気なのが嬉しいようだ。
その台詞、孫が遊びに来たときのおばあちゃんそのままだぞ。
「と、ところでね……きょうちゃん」
しばらく、バタバタとうるさい天井を見つめていた俺だったが、麻奈実に呼ばれ振り返る。
見れば麻奈実は、なにやらもじもじとしていた。
「どうした麻奈実? トイレならリビング出て真っ直ぐ行ってから右だぞ?」
「と、といれじゃないもんっ! きょうちゃんったら、でりかしーなさすぎっ!」
「そりゃ悪かった。で? じゃあなんだよ」
「その……きょ、きょうちゃんの部屋……見たいなぁ……なぁんて…………だめ?」
「あ? そりゃ構わんが……たいしたもんはねーぞ?」
「やった」
ぱん、と両掌を合わせて、嬉しそうにする麻奈実。
とまぁそんなわけで、俺は麻奈実を自分の部屋に招くことになったのだが――
なんだろう。この妙に居心地の悪い――落ち着かない感じ。
何かを忘れている気がする。俺の人生を左右しかねない、重要な何かを……。
くそっ、喉元まで出かかっているんだけどなあ。
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