過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
↓ 1- 覧 板 20
329: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/20(日) 21:21:06.83 ID:FGAkotZNo
「……京介。おまえ、そんなところでなにやっとるんだ」
項垂れる俺の前に音もなく突然現れる親父。心臓が飛び出るかと思ったわ!
想像してみるがいい。あの極道面が音もなく忍び寄り、いきなり「そこでなにやってんだ」と声をかけてくるんだぜ。
「い、いやあ! ちょっとだらけた根性をひきしめなおそうかと思ってさ! あははは」
言えねえ! いくら親にでも、「妹に説教されて正座させられてます」なんて言えるわけがねえ!
「……ほどほどにしておけよ」
親父はそれだけ言うと、沙織の部屋に歩いていく。
何かあったのかな? 昔から親父が子供の部屋を訪ねてくるときは、説教くらうときと決まっていたけど……。
親父がノックすると、沙織が顔を出した。
「プラ板が切れた。すまんが貸してくれ。0.8mmくらいをな」
プラモ関係かよ! そういえば、前も塗料とか借りに来てたな!
そのとき誤解を招くようなシーンを見られたせいで俺はあらぬ疑いをかけられ、理不尽な理由で殴られたわけだが。ちくしょうなんだか左の頬がいてえ。
……しかし、沙織のプラモ好きは完全に親父の遺伝だよな。
となると、親父の腕前はいかほどのものなのだろうか。実は熟練の腕を持っていて、とんでもない作品を作り上げたりするのだろうか。
「似合わなさすぎる」
ただでさえ不器用そうだってのに、あんなちまちましたもの作れるのだろうか。
いや、完全にイメージだけどさ。親父の手先の器用さなんて知らねえもん。
沙織から目当ての物を受け取り、階段を下りていく。
今度は、はっきりと親父の足音が聞こえてきた。
第十一話おわり
533Res/332.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。