過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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358: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/24(木) 19:29:32.23 ID:4wpeXllNo
「おしかったな。あとちょっとだったのにさ」
「黒猫氏、申し訳ありません。拙者がもっとしっかりしていれば……」
しょぼーんと、項垂れる沙織。
「あなたのせいではないわ。私が相手を処理するのに手間取ったせいでもあるのだから」
決勝戦も今までの戦法で挑んだ二人だったのだが、さすがに決勝戦だけあって黒猫の相手も中々沈まなかった。
積極的に攻撃してこず、守りに比重を置いた相手を攻め崩すというのは黒猫の腕をもってしても難しいらしい。しかも決勝戦まで残るような腕前のやつが相手だ。
そしてついに沙織がこらえきれずKOされると、さしもの黒猫も2対1では厳しく、そのまま敗北と相成った。
いわば、今まで二人がやってきた戦法でやられたようなものだ。
「ま、賞品は手に入ったんだし。よく頑張ったよおまえらは」
「……そうですな。お目当ての物は手に入りましたし、早速戦利品の分配と行きましょう!」
沙織はそう言って、ごそごそと賞品の入った袋を漁りだす。
事前に確認したところ、3人のお目当ての賞品は被ることはなかった。ただ一つを除いては。
「……さて、問題のこれの処遇ですが…………」
沙織が最後に取り出したのは、3人が3人とも欲しいと言っていた、ゲーム内でキャラに着せることができるコスチュームのデータである。
悲しいことに、このデータを使用できるのは一人だけらしい。タッグ戦の大会のくせに、なんてもんを賞品にしとるんだと突っ込まずにはいられない。
沙織曰く、何人でも使えるようにすると希少価値が下がるとかなんとかって理由かららしい。
こりゃあ、盛大な争奪戦が勃発しちまうな……。そう思っていたのだが、一番意外な人物が真っ先にその争奪戦からドロップアウトした。
「あ、あたしはいいや」
「えっ!?」
真っ先に争奪戦を降りたのは桐乃だった。
「だって、それはあんたらが頑張って勝ち取って来たんだから、何もしてないあたしが貰うのは筋違いでしょ」
き、桐乃が至極まともなことを言っている!?
「いてえ!?」
露骨に“驚愕を禁じ得ない”という表情をしていたせいか、桐乃に脛を蹴られてしまう。
「ふんっ……ま、あたしはもっといいものもらったしね。それについてはあんたらで決めて」
そう言って桐乃はくるっと振り返り、上機嫌に歩いていく。
いいもの? ……他の賞品のことだろうか。
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