過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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377: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/02/28(月) 22:07:51.51 ID:/rgor//go
当然、沙織は怒るだろう。俺はそう思っていた。
頬を膨らませて、また俺を正座させて……その後沙織の部屋に改めて謝りに行って……。
それでまた仲直りできる――そう思っていた。
なのに、

「そんなことですか。受験ならもう終わりましたわ」

しれっと告白する沙織。その言葉に怒気は感じられない。
単純に、呆れているような感じだった。

「えっ?」
「私の学校は中高一貫ですから。受験などあってないようなものです」

そ、そうなのか? で、でもそんなこと一言も聞いてないぞ?
お嬢様学校なのは知っていたが、まさか中高一貫校とは。

「それはそうでしょう。言ってませんもの」

一向に怒る気配を見せない沙織。
それが逆に恐ろしく、俺はたまらずこう聞いてしまう。

「お、怒ってないのか?」
「怒るって……なにをです?」

きょとんとした顔をする沙織。まるで本当に俺が何で謝っているのかがわからないというように。

「い、いや……だって、沙織の受験のこと忘れてたんだぜ?」

普段なら説教の一つや二つ飛んできてもおかしくない事態だ。
なのに、沙織は文句ひとつ言わない。

「……お兄様も忙しかったのでしょう? 別に、お兄様は悪くありませんわ。……お話はそれだけですか?」
「え……あ、ああ」

そのまま沙織は俺の横をするりとすり抜け、二階へと上がって行った。
必然的に、俺は階段下に取り残される形になる。
今のこの状況が、何か嫌な未来を予見しているように感じられたのだった。



第十三話おわり



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