過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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388: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/02(水) 05:28:52.09 ID:rZgOZofOo
第十四話

こんこんと手の甲でノックを二回。

「沙織ー、ちょっといいか?」

あれから――沙織の受験のことを忘れていたと白状してから三日が過ぎた。
あれから沙織は、怒るようなこともなくいつも通りに過ごしていた。
本来なら失態を穏便に解消できたと喜ぶべきなのだが、ただ一つ気にかかることがあった。あれ以来、沙織は明らかに俺との会話を避けている。
もちろん、話しかけても無視されるとかそんな露骨に避けられてるわけじゃない。
ただ、沙織から話しかけてくれることがほとんどなくなった。
たった三日で何を言っているんだと思うかもしれないが、俺にとっては非常事態である。
だってあの沙織だぜ? ことあるごとに、お兄様お兄様と騒がしかったあの沙織がだ。
そんなわけで、今俺は兄妹間のわだかまりを解消するため沙織の部屋へとやって来た所ってわけだ。

「なんでしょうか、お兄様」
「今ちょっといいかな、話がしたいんだけど」
「ええ、構いませんわ。私の部屋でよろしいんですか?」

意外とすんなり受け入れてくれる沙織。
あれ? そんなあっさりでいいの? せっかく気合入れてきたってのに、なんだか拍子抜けしちまうな。
沙織の部屋に入ると、そこには辺り一面にプラモが飾られていた。

「すげえな、どんどん増えてくな」

一年程前は押し入れに入る分だけだったってのにな。

「これもお兄様のおかげです」
「俺? 俺はなんもしてねえよ」
「そんなことありませんわ」

そう言うと沙織は俺の手を取り、なんとも幸せそうな笑顔で俺を見つめてくる。
沙織につられてこっちまで笑顔になってしまう。
しかし、同時に妙に気恥ずかしくもなってしまい、すぐに沙織から顔をそらした。
そして別の話題を探そうと辺りを見回してみて、あることに気が付いた。

「あれ? あのプラモ、ガンダムのじゃないよな。あんなガンプラ見たことないし」



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